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この病気、あなたはどう思いますか?
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神戸新聞掲載第11回 9月22日 より
さくらいクリニック 院長 桜井 隆 |
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身体の調子が悪くて病院にかかって、医者の説明を聞いてもどうも納得できないということ、多くないですか?
逆に多くの医者達はよく説明している、と自分では思っているようですが、患者さん達は十分でない、と感じていることが多いようです。「あれだけ説明したのに、」医者同士のぐちで結構聞く言葉でもあります。そういった行き違いは病気や身体に対する医者、患者双方が持つイメージの違いに起因することが多いようです。ある事柄に対して持っているイメージはひとそれぞれ、様々です 。 ”阪神タイガース”から連想することが千差万別であるように、病気へのイメージ もまた。 「先生、注射1本うってすぐに治してんか。」 「風邪はほとんどがウイルス感染、インフルエンザ以外のウイルスには効く薬はないから、、まして注射なんかでは、、」 「そうかて明日から出張やし、今日のうちに治しとかんと、、注射がダメならマイシン、抗生物質を、」 「抗生物質はウイルスには効かないし、身体がウイルスをやっつけるまで3ー4日は安静にして、、」 この患者さんと医者、その後、納得して治療方針が一致するまで、ちょっと時間がかかりそうです。 野球に興味がなくルールさえろくに知らない人に今年のタイガースの優勝は、投手陣の踏ん張りと、打線のつながり、そして監督の采配が、、などいくら説明してもわかっ てもらえないのと同じです。そういった患者さんの病気に対するイメージを探り出して、そのギャップを埋めるのは短時間の診療ではかなり困難です。そんな時私は「この病気、あなたはどう思いますか?」と素直に尋ねてみることにしています。そうすると、結構その病気に対して患者さんが持っておられるイメージが聞きだせることが あります。たとえば「うちの祖母は風邪だと思っていたら、こじらせて肺炎で死んで しまったので心配。」といったような。そのお話しを聞いた上で、こちらの持っている専門的知識との摺り合わせをおこない、合意点を見つけていく、という作業が必要 です。 専門家に対して、自分の希望をまずぶつけてこうして欲しいのだけど、、というところからスタートする、というのが一般社会ではあたりまえのことでしょう。たとえば、 こんな家に住みたい、こんな結婚式がしたい、こんな旅行がしたい、と希望をはっき りさせてそこから交渉が始まる。それと同じようにあなたの病気に対するイメージを 医者に投げかけてみてそこから診療がスタート、医者はそれを受けとめて専門家としての見地から寄り添う姿勢で対応する、そんな当たり前の診療ができればいいな、と思っています。 |
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