まちかど診療日記
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新年そうそう、、ちょっとしにくい”お金”のお話し
神戸新聞掲載第16回 1月5日 より
さくらいクリニック 院長 桜井 隆

 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新年早々ではありますが、あまりめでたい、とは言えないのがこの医療業界。4月にはまた医療費の引き下げがありそうな雰囲気。みなさんの自己負担額が増えないのはいいことなんですが、安全で確実、しかもサービスの良い医療をさらに効率よく低コストで提供する、というのはなかなか厳しい注文です。

20世紀の終わりから21世紀にかけて”性 SEX”そして”死 DEATH”と いった話しが次第にタブー視されなくなりマスコミにも取り上げられてきました。そして今まで日本では医療に関してはあまりオープンでなかった”金 MONEY”に ついてももっと議論していく時期が来ているようです。

遺伝子治療や、臓器移植といった治療にかかるコストがとても高額なのはみなさん御存じのとおりですが、そういった特殊な医療だけでなく、もう少し身近な病気の治療に新しく登場する新薬のお値段が信じられほど高価になっています。

関節リウマチに劇的な効果を持つ新しい薬のお値段は、一回の点滴でなんと20ー30万円、、それを2ヵ月に一度、ずーっと続ける必要があると言われています。3割負担でも6ー9 万円。高額医療費の公費負担制度などがあるとはいえ、経済的に治療の継続が困難になる場合も考えられます。しかし、この薬でリウマチの進行が抑えられ、今まで必要だった手術がいらなくなり、その方が元気でお仕事や家事を続けられたとすれば最終的に医療費や社会保障のコストが削減できる、という可能性も新薬は持っています。

こういった新薬の開発で救われる方が増える一方、どんどん膨らむ医療費、すべての人が安心して医療を受けることを目標に作られた医療保険制度の根幹がるゆるぎつつあります。高速道路や、ダム建設と同じような視点での経費削減や、際限ない自己負担増を医療に適応していっていいのでしょうか?

もちろん医療にかかるお値段、というコスト意識を治療を受ける側も、提供する側も、もっとしっかり持つ必要はありそうですが。

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