医療事故に関するマスコミ報道を良く目にするようになりました。訴訟件数も年々増え続けているようです。医療行為に100%安全、ゼロリスク、ということは残念
ながらあり得ないことです。もちろんできるだけ事故を少なくするための最大限の努 力、リスクマネージメントは必要ですが、それでも事故はおきてしまいます。そういった事故の被害者にとってさらに許せないのは”ひき逃げ”という行為でしょう。医療
事故の現場ではミスを隠したり、カルテを改竄したりする、隠ぺい工作にあたるものです。
紛争ではどうしても感情的な葛藤が避けられません。裁判という解決法は最終的には金銭のやりとりを目的とした勝ち負けを争うことになってしまいます。そこでは
「本当のことが知りたい、謝ってほしい、二度とこんな事故はおこして欲しくない」 という被害者の思いは活かされにくくなります。裁判になる手前でそういった紛争を解決しようというADR(裁判外紛争処理)という考え方があります。勝ち負けをきめる裁判ではなく、それに至る前に第三者が介入し、被害者、加害者双方の対話を取り持ってお互いにとって利益があるように解決しようという方法です。
今、医療に限らずさまざまな分野でそういった紛争解決方法への模索が始まっています。
今話題のTV番組”白い巨塔”でも医療事故が問題となっていますね。「先生、大学病院ってあの通りなんですか?」なんて患者さんに聞かれて困ってしまいます。
原作 は昭和40年代に書かれた小説だし、現実ではありえない、と思うのですが。おそら く原作どおりこれから医療事故を巡っての裁判が展開されていくでしょうが、隠そうとする医療サイドと、許せない、という被害者の怒りがぶつかる展開。ドラマとして
はおもしろいかもしれませんが、ますます医療不信を増長してしまうのでは?そんな気もします。
そうではなく対話によって双方が前向きに事故原因を究明し、再発予防を考えていく、そんな展開の21世紀の紛争解決方法を示唆するような夢のあるドラマも作ってほしいものです。