まちかど診療日記
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”患者さま”と呼ばれたいですか?
神戸新聞掲載第4回 5月26日 より
さくらいクリニック 院長 桜井 隆
 最近、病院で”さん”ではなく”さま”と呼ぶところが多くなっている。
医療も広 い意味でのサービス業、顧客である利用者を”さま”と呼ぶのは当たり前、という考え方だ。

確かに一般的には利用者がお金を払って消費活動する、あるいはサービスを受ける銀行やホテルなどでは”さま”と呼ばれるのが当たり前。しかし病院でのアナ ウンスは確かに”さま”に統一されているが、一旦診察室に入って実際の診療現場となると、個々の医師や看護師が”さま”と呼んでいるか、というと一概にそうとはいえないようだ。

「ooさま、検査の結果でございますが、少々コレステロールがお高 いようで、、」と言われたらなんか祭り上げられているようで返って居心地が悪くなっ てしまいそうだ。

 医師仲間でもこの名称について「うちは”さま”にして評判が良くなった。」「いや、”さま”はよそよそしくてかえって距離感を感じさせる。」などいろんな議論が盛んだ。5年前にはあまり考えられなかったこと。そういう点にも気を配るようになっ たことは患者さん、いや患者さまにとってはいいことだろう。

ただ問題は呼び方では なくてサービスの中身、さんざん待たされて”さま”と呼ばれて診察室に入ってみる と「ちゃんと薬を飲まないから検査結果がこんなに悪い、治したくないならもう来なくてもいい。」なんて一方的に言われてしまっては、、。

 医師ではなく医者と呼ばれたい私自身は”さま”というよりもう少し距離の近い” さん”と呼ぶ関係で患者さんに接したいとの想いで今のところ”さん”と呼ばせてい ただいている。そのかわり必ず自分で診察室から待ち合い室へ顔を出してお呼びすることにしている。

どんな医療を受けたいかを患者さん自身が自己決定するのと同じようにどう呼ばれたいかも自分で決めてもらえばいいのかもしれない。
その時には「つ るさん」とか「よねきっつあん」なんてファーストネームで呼ばせていただける、そんな関係も素敵だなあ、と思っております。
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