まちかど診療日記
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介護保険、うまく使えていますか?

さくらいクリニック 院長 桜井 隆

 2000年に介護保険制度が始まって5年、それなりに社会に浸透してはいるようですが、さまざまな問題点も指摘されていて、来年にかけて制度の見直しがおこなわれます。
最初は“保険あってサービスなし”と心配されましたが、実際は民間企業の参入などでサービスの量自体は確保されている地域が多いようです。
問題は質の良いサービスをどのように適切に利用するか、ですが、これがうまくいっているとは言いがたいのが現状です。

 サービス提供の要となるケアマネージャー、介護支援専門員が必ずしもきちんと役割を果たせていないのがその原因の一つでしょうか。
医師、看護師、薬剤師、柔道整復士、社会福祉士といったさまざまなバックグランドを持つケアマネージャー。医療、福祉、介護といった領域の壁を越え、行政と民間を橋渡しして、病気や障害をもった利用者へのサービスの提供をアレンジするのが仕事ですが、いうなれば、ルールの違ったスポーツ選手、たとえばサッカー選手、水泳選手と柔道の選手が集まった野球チームを監督するようなもの、なかなか一筋縄ではいきません。

利用者にとっては援助してくれる人の資格はどうであれ、現実に困っているのを助けて欲しい、という単純なことなのですが、医療、福祉、介護といった違うフィールドに属するスタッフ間の連係はなかなかうまくいかないこともあります。

 この連係をスムーズにするのか、ケアカンファレンス(サービス担当者会議)とよばれる関係者が集まる会議です。本来、すべてのケースでおこなうことが基本とされているのですが、それぞれ多忙なスタッフが一同に会することはなかなか困難です。

しかし、さまざまな工夫でほとんどのケースでケアカンファレンスを開いている尾道市のような例もあります。
できたらなんらかの節目で利用者のみなさんから、ケアマネージャーを通じて利用者自身や家族も参加する会議を開いて欲しい、と要望してみてはいかがでしょうか?

もちろん日程調整などは大変かもしれませんが、病気や障害を持っても地域で、自宅で過ごす利用者を支援する、いろんなスタッフが集まって相談する、そんな会が利用者自身の呼び掛けで開けたとすれば、「尊厳ある自立を支える」という介護保険の理念にもかなうものだと思います。

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