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自分で症状伝える機会を
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神戸新聞掲載第8回 8月4日 より
さくらいクリニック 院長 桜井 隆 |
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午後の整形外科のクリニックは、比較的年令層の高い午前の診療とはうってかわって、学校帰りの子供さん達がスポーツや遊びの中での怪我などで来られることが多くなる。まあちょっとした切り傷や捻挫、突き指、といった外傷からたまには骨折なども。
その子供さん達に付き添ってこられるお母さんたち(たまにはお父さん)の態度 がさまざまである。おそらくある年令(小学校以上)になれば、怪我をした経過をある程度自分で伝えることは可能だと思うのだが、、
「こんにちは、今日はどうしたの?」と本人の目を見て話しかけてみても「昨日クラブのバスケットでシュートの時、着地に失敗して右足首を捻挫したみたいで、、、」 と横からすかさず答えるのは付き添いのお母さん。「それからどうしたの?」とまた 本人に向って話しかけてみても、当の御本人は黙って顔を付き添いのお母さんの方に向けて視線をかわしてしまう。「保健室へ行って湿布してもらったんですけど、今日になってもまだ腫れがひかないし、痛いっていうし、来週の日曜日には県の大会があるのよね、だから困って、ねえ、あんた、自分で言いなさいよ。」と言われても言う ヒマないよね。 これが幼稚園や小学校低学年ならまだしかたがないが、中学生や高校生でも決してまれなことではない。まあ子供さんがあまり受診したがらないのを心配した親が無理矢理連れて来て、ちょっとふてくされた子供さんがしゃべらない、、という事情もあるのかもしれないが。自分自身におこった怪我、というトラブルを他人に伝えてどうしたらいいのか、そしてどうしてほしいのかを相談するというのはまたとない社会勉強のいい機会で、そういったことを学ぶのもある意味で教育なんじゃないかな、と思うけど、その貴重な機会をみすみす逃ししまっているようだ。 初診で来られた幼稚園の子供さんが「あのね、きのうね、おさんぽでね、かいだんで ね、ちょっところんでね、こっちのひざをうってね、それからね、あるいたらね、こ こがいたいの。」と一生懸命私に伝えようとしているのをにこにこ笑って黙って横で 見ていたお母さんに、「何か付け加えることはありませんか?」と聞いたら、「この 子の言う通りです。この子に聞いてやってください。」とだけ言ったお母さんがとて も印象的だった。 |
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