「21世紀の八尾市の医療」



 八尾医師会会員への提案と実践の呼びかけ

  以下のような医療の多面的な改善の為に医師会として実践せざるを得ない諸施策を提案し、一般医師会会員はもとより、より指導性を委ねられている理事会メンバー、次回の医師会長選挙に立候補を予定しておられる方々に真摯に問いかけ、各位の御見解をお聞かせ頂きたく思います。

  1. 医療の質の改善策

    カルテのフォーマットの制定と記載法の統一:電子カルテを視野に
    八尾市医師会認定の「医師免許更新制」の実施:市民に質の向上維持を知らし得る 生涯教育カリキュラムの豊富化=CPC、CC、DC、JMAPの実施
     CPC:臨床・病理カンファレンス  CC:臨床症例カンファレンス
     DC:死亡例カンファレンス JMAP=Japanese Medical Accreditation Program
     
    日本臨床医信任プログラム−医師の診療内容の信任評価法

    既存会員の標榜科目の再検討と新規開業医の標榜指導=アマチュア医療の削減

    八尾市医師会認定の「専門医」「総合家庭医」の設定=かかりつけ医とコンサルテーション医を識別し同時にお互いの能力を生かし、診療の質を高め得る

    開放型病院の登録医としての共同診療活発化と病院の一般外来の縮小・廃止=継続診療と最新医療の日常研修が可能になる

    全科に亘る24時間、365日有効救急体制の保証のための全八尾医師会員の動員=市民の医療に責任をとるため、少なくとも救急診療には出仕する

    八尾市医師会医学会での全医療者の学術的アプローチの場の保証=医師のみでなく全医療従事者に機会を与え、地域の医療総体の活性化と質の向上を図る

    市民の医療情報の自己管理の促進=診療手帳、自己管理カルテ、ICカード

    八尾医師会内に「八尾市疾病管理センター(Yao Centers of Disease Control)」を開設し、感染症を中心として諸疾患の疫学的分析と情報のマンスリーリポートの実践

    国際医療者教育の実践=徳洲会病院および医真会で受け入れ可能

    グループ診療体制の確立=医薬分業、EBMを主体とする診療内容の標準化、免許更新などの生涯教育の充実

    専門医による各科診療指針の提案:地域医療内容の標準化

  2. リスクマネージメント対策

    事故・未遂事故・過誤事例の収集、分析、対応と開示
    同僚審査機構の新設とランダム評価受審
    八尾市医療被害救済センターを住民団体、市当局とともに新設
    リスクマネージャー養成

    災害対策:
     ロジスティック活動−野戦病院セットの購入と八尾空港での管理
                  医師会の災害救援隊組織化(ボランティア)−定期的訓練
                  「八尾医療救援隊 Yao Medical Support Unit  YMSU」
                  破綻ライフライン補給対策
     国際ボランティア活動への積極的派遣=診療所のグループ化による相互支援
                              AMDA、MeRUなどとの協力体制
                              運営、看護、技師群などとのチーム形成

  3. 医療経済対策

    保険上の評価内容の充実を提案―知的評価
    消耗品などの共同購入制によるメリット
    医師会内部での経済審査機構の新設
    施設改良などに対する銀行等の融資保証
    医療経営コンサルト

  4. 八尾市における医療システムと八尾市立病院についての存否について
    21世紀の公的医療保証の意義(大都市近郊における)

     2600億・6000億という数字があります。国立病院と自治体立病院の平成9年度の赤字額=税金での補填額です。銀行へ支給された公的資金が兆のレベルであり、それがマスコミで頻繁に目に付くようになって以来、これらの赤字額にも驚かなくなりましたがとてつもないお金が使われています。はじめに記しましたように21世紀の医療ビッグバンでは「健全経営」が必須になります。
   


[ TOPICS ] [ NEWS ] [ 医療裁判報告 ] [ KENYA ] [ HOME ]