厚生労働省 「新たな臨床研修制度の在り方について(案)−平成14年10月版−」 
                          【到達目標】 
                           T 行動目標 
                           U 経験目標 
                             A. 経験すべき診察法・検査・手技  
                             B. 経験すべき症状・病態・疾患 
                             C. 特定の医療現場の経験:各現場における到達目標の項目のうち一つ以上経験すること 
                          
                             
                              | (1)救急医療 | 
                             
                             
                              | (2)予防医療 | 
                             
                             
                               (3)地域保健・医療: 
                                  地域保健・医療を必要とする患者とその家族に対して全人的に対応するために、 
                                  ○保健所/診療所/社会福祉施設/介護老人保健施設の役割について理解し、 
                                    実践する。 
                                  ○へき地・離島医療について理解し、実践する。 | 
                             
                             
                              |  (4)小児・生育医療  | 
                             
                             
                              | (5)精神保健・医療 | 
                             
                             
                              | (6)緩和終末期医療 | 
                             
                           
                           
                                | 
                      
                    
                    一般目標
                       医療の全体構造におけるプライマリ・ケアや地域医療の位置付けと機能を理解し、将来の実践ないし連携に役立てられるようになるために、診療所で診る患者の疾患や問題が入院患者とは異なることを認識し、病棟における疾患のマネジメントではみられない患者へのアプローチを身につける。 
                      
                      
                      
行動目標
                       □ かかりつけ医の役割を述べることができる。
                       □ 地域の特性が、患者の罹患する疾患、受療行動、診療経過などにどのように
                         影響するかを述べることができる。 
                       □ 患者の心理社会的な側面(生活の様子、家族との関係、ストレス因子の存在など)に
                         ついて医療面接の中で情報収集できる。
                       □ 疾患のみならず、生活者である患者に目を向けて問題リストを作成できる。
                       □ 患者とその家族の要望や意向を尊重しつつ問題解決を図ることの必要性を説明できる。
                       □ 患者の日常的な訴えや健康問題の基本的な対処について述べることができる。
                       □ 患者の年齢・性別に応じて必要なスクリーニング検査、予防接種を患者に勧めることが
                         できる。 
                       □ 健康維持に必要な患者教育(食生活、運動、喫煙防止または禁煙指導など)が行える。
                       □ 患者診療に必要な情報を適切なリソース(教科書、二次資料、文献検索)を用いて入手
                         でき、患者に説明できる。
                       □ 患者の問題解決に必要な医療・福祉資源を挙げ、各機関に相談・協力ができる。 
                       □ 診療情報提供書や介護保険のための主治医意見書の作成を補助できる。
                      
                      
指導者の留意事項
                       ―研修医に患者診療に貢献するような何らかの役割を与え、単に見学のみの研修
                         としない― 
                      
                      ●研修開始前
                       □教育目標や評価方法について、研修医の所属する施設の教育担当者と事前に打ち合
                         わせをする。
                       □研修医が診察(医療面接、身体診察)に使用できるスペースを確保する。 
                      
                      ●研修開始時
                       □研修開始時に研修医と共に研修のゴールを確認し、研修医の学びたいこと、
                         指導者が研修医に期待することを明確にしておく(→表1:
プレアンケートを利用する)。 
                      
                      
                      ●研修期間中
                       □一般的な疾患を有し、さまざまな背景をもつ患者を診察する機会を与える。
                       □研修医に診療に貢献するような役割を与える。
                         例)医療面接・身体診察とその記録、検査・治療計画の立案、訪問診療、夜間の救急
                           患者への対応、診療情報提供書の作成(指導医の言う内容の口述筆記など)
                       □毎日の外来診療の終わりに診察内容について振り返り、研修医にフィードバックを与え
                         る。
                       □研修の中間地点で、それまでの研修について研修医と共に振り返り、後半の研修をど
                         のように行うか話し合う(→表2:
研修の記録1/
2を利用する)。 
                      
                      
                      ●研修修了時
                       □研修修了時に研修医からプログラムに対するコメントを得る(→表3:
ポストアンケート)。
                       □
評価表(表4)を用いて研修医に正式なフィードバックを与える。
                      
                      
研修カリキュラムの例
                       研修先
                        (1)診療所(指導医と共に外来診療を行い、機会があれば訪問診療や学校医活動に
                          同行する)   
                        (2)へき地・離島の診療所
                        (3)老人保健施設
                        (4)訪問看護ステーション(看護師やヘルパーに同行したり、ケアカンファレンスに出席
                          する)
                        (5)社会福祉施設(在宅医療に関わるいろいろな施設を見学する)
                        (6)保健所 
                      
                      
モデル・スケジュール
                        例1)(1)または(2)において1〜3ヶ月間研修
                        例2)       〃         、その間に(3)〜(6)の施設を1〜数日ずつ見学する
                        例3)(1)において決まった曜日に半日ずつ外来診療を行い、これを1年〜2年継続する
                      
                      
[参考資料]
                      ●SGIM/CDIM Core Medicine Clerkship Curriculum Guide 
                      http://www.im.org/cdim/Docs/CDIMCoreCurriculumResourceGuide/TableofContents.htm
                      http://www.im.org/cdim/Docs/CDIMCoreCurriculumResourceGuide/ 
                      GeneralistClinicalCompetencies/CommunityHealthCare.htm 
                      
                      
                      ●プライマリ・ケア、家庭医療の診療所実習・研修の手引き  PCFMネット編
                      
http://www.shonan.ne.jp/~uchiyama/tebki.html