学校教育
 

● 今の日本の教育は ●


 先日新聞で、年間30日以上学校を休んだ「不登校」の小中学生が97年度に初めて10万人を越えたと文部省の学校基本調査により報告されていました。(小学生20,754人、中学生84,660人)
その不登校が増えた背景として、
 ・いじめや、学業不振などの問題
 ・学校も家庭もそれほど不登校にこだわらなくなった
 ・学校現場で強い指導ができなくなった
などが挙げられていました。
 また、文部省では97年に不登校を「問題行動のひとつ」と見ていましたが、今回の結果をみて「どの子にも起こりうるもの」と定義し直し、「学校は児童生徒の心の居場所としての役割を果たすことが求められる」などの見解を各都道府県に通知しました。
 去年まで不登校=問題児としてみていた日本の学校教育はこれからどのように変わることができるのでしょうか?

 日本の戦後教育は、「平均化された大衆化教育」と言えるのではないでしょうか。「集団の水準」を重視する横並び式の教育により良質な労働力を生み、高度経済成長を推進してきました。それにより受験エリートを創り出してきたのです。 「皆一緒」「平等教育」という建前だけで、個々の子どもたちの長所(真のエリート)を見極め、育てることをおこたり、「一体感」や「平等感」を共有し、それに属さない者、あるいは弾き出した者は「差別=問題児」しようとしているのです。
 確かに、小さな集団をつくって群れ、それに属していると摩擦が避けられて、事がスムーズに運び楽な時もあります。しかし、我慢してみんなと同じ様にしていると自分を殺している場合が多くなってきます。自分を無理に殺すと、どうしても鬱屈した感情が溜まり、その捌け口が必要となりいじめや家庭内暴力へと進んでいくのではないでしょうか。

 みんなと違うから問題行動(問題児)として定義する今の日本の教育の方が問題であって、それに気づいていない教師や親、またこの社会に問題があるのではないでしょうか。
今のままの教育では、どこを切っても同じ金太郎飴みたいなクローン人間になってしまいます。
生まれも育ちも違う環境で育った子どもが同じなわけがありません。全く同じだという子どもはひとりもいないのです。私達がそのことに気づかないかぎり日本の教育は変わりません。
 また、教師も同じで、子どもにまけないぐらい型にはまらない、バラエティーにとんだ人間でなければなりません。今までのように「教えてやる」という姿勢ではなく、子どもの要望や悩みを敏感に感じ取れる、また感じることのできる教師でなければならないのです。

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