患者会「松樹会」の活動内容

「奇跡のリハビリ」

機関誌 「松樹会ニュース」 Vol.35より
松尾クリニック   院長 松尾 美由起



 温暖化の為か大阪地方の水たまりが凍ることはほとんどなくなりました。昨年は3人も日本からノーベル賞を授与されるという素晴らしいニュースがありました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 先日、私どもが開いている「在宅医療・看護を考える会」で紙屋克子先生をお呼びして講演と実技をして頂きました。20数年前にお会いしたときに「寝たままになっている方を『てこの原理』を利用して指1本で座らせたり身体の向きを変える」方法を伝授してくださり、非常に感激したものでした。その後、患者会や介護教室でその方法を伝えていったのですが、さらに素晴らしいのはいわゆる植物人間と言われていた方を座れるように、そして自分で食べることができるようにできるという看護の心と技の偉業に感銘したものでした。

 今回はさらに「奇跡のリハビリといわれる方法」を私達の目の前で見せて頂きました。医師がもう動きませんと言って、17年も拘縮(寝たきりや長い間身体を動かさないでいると身体が衰え、筋肉や皮膚など関節周囲の軟部組織が伸縮性を失って固くなり、その結果関節の動きが悪くなる状態)していた手がある程度動く様になり、パソコンで設計ができるまでになっている映像を見せて頂いて涙が出そうでした。

 あきらめないこと、そして根拠に基づいたリハビリなどを研究し実践することは並大抵のことではなく、長い時間をかけ継続してこられた賜でしょう。完璧というものはなくとも、少しでも何か方法はないかと探したり試してみることが重要なのだと皆さんに希望とやる気を与えることでしょう。このような素晴らしい驚きと出会いがあることを心から感謝致します。


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