患者会「松樹会」の活動内容

「おまかせ」から「共有」へ

松尾クリニック機関誌 「松樹会ニュース」
松尾クリニック   院長 松尾 美由起



 世の中では毎日のようにIT(情報通信技術)という言葉が飛び交い、クローンや遺伝子操作の技術が取り上げられるようになってきていますが、ふと見れば昔と変わらず梅は凛と美しく香り立ち、桜もつぼみを咲かせようとしています。自然はこれからの人間の行方を悠々と眺めているのかもしれません。みなさまお元気でお過ごしでしょうか。

 便利なものはどんどん活用しましょうという事で、情報発信の為、クリニックの受付カウンター上の垂れ壁に「プラズマディスプレイ」という大きなテレビ画面を設置しました。いわゆるテレビと違うのはクリニックの情報、たとえば診療時間の変更や、患者会のお知らせ、そして新しい検査などの説明や情報、病気についてのお話など、コンピューターを通していつでも大画面に映し出すことができるようになりました。
また、昨年の松尾クリニックの行事「日帰り旅行」や「作品展」、新しくスタートした「ボウリング教室」の様子、そして「15周年記念パーティー」や、講演してくださった澤地久恵さんの写真や講演中のビデオを写したりする事もできるようになり、今まで参加できなかった皆様にも雰囲気をわかっていただけるかなと思っています。 字が大きくてわかりやすいと結構好評のようです。

 さて最近の医療現場では、今までの「医者におまかせ」という立場から、すべての情報を医療スタッフと患者さんとが一緒に「共有」し、協力して病気と向かい合って治していこうという姿勢に変わって来つつあります。近々、カルテも電子カルテに代わり手書きからコンピューター操作に変わり、一枚のカードを持ち歩くことによって各人の検査データや医療情報がどの医療機関にいっても一瞬にして出て何度も検査をする手間を省けるようになるでしょう。いろんな治療法についてもあらかじめ説明を受けた上で、医療者のアドバイスを参考にして患者さん自らが方向性を選べるようになるだろうと思います。

 今はテレビ番組内で「マイタケが良い」と聞くとその日のうちに店頭での売り切れ続出という状況がまだまだありますが、「すべての人、あるいはすべての病気に効くものはない」という前提に立ち、自分でしっかり見極めて必要なものを選び、一緒に病気と闘っていきたいものです。

 「プラズマディスプレイ」も情報の共有の場として皆さまが育てていってくださるといいなと考えています。「自然」と「時間」には逆らえない私たちですが、お互いに協力して進歩していきましょう。

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