患者会「松樹会」の活動内容

「セラピーセラピー」

松尾クリニック   院長 松尾 美由起



 新年明けましておめでとうございます。
昨年中は世界中でいろんな事が起こり驚きすぎてコメントもできないほどでした。今年こそは平和な日々が続きますように心よりお祈りいたします。

 最近はいろんなセラピー(療法:薬を用いたり、手術をしたりしないで良い方向に導く方法)の話を耳にします。
たとえば以前クリニックの在宅患者さんに行なって予想以上の効果をあげ、これからも実施予定の音楽療法をはじめ、動物介在療法(アニマルセラピー)、アロマセラピー(香り療法)、絵画療法(アートセラピー)、化粧療法、笑顔療法などなど・・・・。

 本当に効果があるのだろうかと思って実施した音楽療法のお話をしましょう。
クリニックでは在宅で診療している方が50名以上いらっしゃるのですが、いわゆる寝たきりで楽しみが全くないと思われる方も多く 何とか少しでも元気になられる方法が無いものかと考えていました。そんな時、たいていは集団でする「音楽療法」を在宅で個別にしたらどうかなと思い、音楽療法士さんに無理をお願いして訪問してもらいました。
カセットデッキと音楽テープ、CDそしてツリーチャイムやオートハープといった楽器を持っての訪問。
数人行ってもらった中で、印象深かったのはパーキンソン氏病から寝たきりとなりほとんどお話もできないHさん。普段は私たちが訪問してもほとんど「ウン、ウン」位言ってくれるだけで眼もつむりっぱなしです。
木々のささやきにも似た感じの美しい音色のツリーチャイムをならし、童話のメロディーを流し出すと心なしか表情が軟らかくなっていき、30分後Hさんが若かりしころの音楽をかけるとにわかに表情が明るくなり、ふるさとのことや自分の名前などを話し始めたのです。
帰りには大きな声ではっきりと「ありがとう」とおっしゃって我々も大感激でした。

音楽療法士さんにきけば人間の音感としてリズム(打楽器の音)が最後まで記憶に残るのだそうです。思っても見なかった効果があることにびっくりし今後は在宅患者さんだけではなく、外来でも個別音楽療法をカウンセリングが必要な方にしてみようと思っています。

 笑顔セラーピーに関しても興味があり、インターネットで調べてみると笑顔の三要素は
1) 明るい心(プラス思考で)
2) 暖かい心(愛の心で)
3) いきいきとした心(夢を持って)
とありました。要するに笑顔をみせて行動していくことで前向きにいろんなことに積極的に関わっていけるということでしょうか。笑いは脳の刺激にも良く「笑いの学会」なども開かれているようです。
いろんなセラピーに共通していることはリラックスして自分を見つめ直し、一歩踏み出す勇気を持とうということかもしれません。

 何が起きるかわからない世の中ですが、少なくとも命を与えられている間は積極的にいろんな事にチャレンジし変革していきたいものです。

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