松尾クリニック
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パワーリハビリ開始後3ヶ月の評価

1.はじめに
  当クリニックは「患者さんのそばにいる医療」を信条に在宅19年前から在宅医療に取り組んでいる。患者の自立支援・家族の介護負担の軽減を目的に、本年8月に通所リハビリテーション事業を開始し、パワーリハビリテーション(以後パワーリハと略す)を導入した。今回、導入3ヶ月が経過したのでその効果を評価し検討したので報告する。

2.研究目的
 通所リハビリテーション開設当初から参加した利用者のパワーリハ開始前と3ヶ月後の評価を行い行動変容などの効果について検討する

3.対象
 平成15年8月6日〜11月17日の3ヶ月間に当クリニック通所リハビリテーションで、パワーリハを施行した男性3名・女性2名の5名の利用者を対象とする。平均年齢76歳、主な疾患は糖尿病、脊髄小脳変性症、パーキンソン病・シエーグレン症候群、変形性膝関

4.方法
  パワーリハビリを2回/週3ヶ月間実施し
1)体力測定(6項目):
(1)開眼片足立ち:何秒片足で立つていられるか
(2)ファンクショナルリーチ:立位で上肢の平行移動距離を測ります。(バランスを評価します)
(3)座位体前屈:座位での前屈でどのくらい柔軟性があるかcmで計ります
(4)落下棒テスト:長い棒を落下させてどのくらいの時間で握れるかをcmで測ります(俊敏性の検査です)
(5)TimedUp&Go:椅子から立ち上がってから3メートルの距離を往復し、また椅子に座るまでの時間を計ります。
(6)2分間足踏み:2分間に何回足踏みができるかを回数で表します

2)日常生活状況票(ADL票と略す)による行動評価を初回・3ヶ月後に行い比較した。行動評価はADL票項目(1〜30)を内容別に「健康・体力」「外出動作」「外出状況」「転倒」「役割社会参加」「健康意識」「自己意識」の7グル−プに分け、改善された項目を1点とし(1)グループ別(2)利用者別の改善状態をみた。

3)パワーリハ開始前に立てた個人目標の3ヶ月後の達成状況について本人・家族・スタッフから聞き取り調査を行い各利用者の行動変容などの効果について検討した。

5.結果
  1)体力測定の結果 最も変化があったのは「ファンクショナルリーチ」で5人全員が改善し、次いで「落下棒テスト」「TimedUp&Go」が4人、「2分間脚踏み」は3人が改善した。反対に「座位体前屈」と「開眼片足立ち」は2人だけが改善した。利用者別ではNさんがすべてにおいて数値が向上しTimedUp&Goは手押し車から4点杖に、「2分間足踏み」は座位から立位に変化した。

 2)ADL票による行動評価の結果 (1)グループ別のADL票では、「健康・体力」「外出動作」「自己意識」の項目で改善が見られ、「転倒」「役割社会参加」「健康意識」の点数は低くかった。 (2)利用者別ではS・Iさんは36.7%、M・Tさんは23.3%、Nさんは10%の改善率だった。Sさんは健康に関する項目に変化が認められた。
 3)目標達成状況の聞き取り調査結果について Sさんは歩くのが楽になり、Iさんはチヨコチヨコ歩いていた感じが少なくなった。Mさんは痛みがなくなり歩くスピードが速くなった。Nさんは「杖なしで外出したい」と意欲的になり目標を見直した。Tさんは布団からのが立ち上がりが楽になった等、本人・家族・スッタフも、何らかの改善があり目標に対する達成感を持っていた。

6.考察
  「ファンクショナルリーチ」が改善されたのは、腰が安定した為と推測する。手押し車から杖や、杖が不要になるなど「歩行」に関して効果が見られた。「開眼片足立ち」に改善率が低かったのは脊髄小脳変性症や糖尿病性視力障害など疾患が関係すると考える。行動評価で「外出状況」や「役割社会参加」が低かったのは、普段の生活習慣も影響すると考えられ行動変容を具体的に見ていく為には、詳細に生活状態を把握することが必要である。また「健康・体力」の改善率が高かったことから今後の行動変容が期待できる。動きがよくなり動作性が改善され個人目標は達成できたと考える。

7.まとめ
 パワーリハを開始し「自己認識が変わって行動が変わる」ということを実感した。今後の課題として痴呆やリスクの高い利用者をグループ化するなどの、受け入れ体制が挙げられる。

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