患者会「松樹会」の活動内容

「ミク口の夢」

機関誌 「松樹会ニュース」 Vol.27より
松尾クリニック   院長 松尾 美由起



 地球温暖化のためかいつまでも暑さが厳しい夏でしたが、やっと秋らしい風が吹くようになってきました。
 みなさまお変わりございませんでしょうか?

 小さい頃、電話を持ち歩ければ便利だろうなと考えていたら今では小学生でもひとり・ひとりが携帯電話を持つようになり、テレビ電話も携帯化してきました。
 007のジェームズポシドの車や通信機器がかっこいいとあこがれていたものですが、これらももはや身近に存在していそ うです。あっという間に人間の知能はあらゆる夢を実現してしまいそうです。

 医療の現場でもいろんなことが解明され、新しい薬や技術が開発され、30年前には治らなかった病気もずいぶん回復するようになりました。

 最近では身体中のどこの細胞にでもなれる「幹細胞」という、いわゆる根本の細胞を使っての医療「再生医療」が脚光を浴びてきています。たとえば、やけどでだめになった皮膚に幹細胞を植え付けて元のような皮膚に戻したり、血管を元通りに近い状態にできたりと、限りなく研究は続いています。

先日は形態記憶合金を心臓の筋肉のそばにつけて動きの悪くなった心臓の補助をする治療法も開発されたとのニュースをみました。その新聞記事をみながら、ずっと前の「ミク口の決死圏」という映画をふと思い出しました。確か、病気の部位(たぶん映画の中では、手術のできない場所にできた脳腫瘍だったと思うのですが)に、微小になった人間つまりミク口人間達のチームが血管から身体の中に入っていき、悪い部位をレーザーで冶すというようなストーリーだったと覚えています。

 近い末来には、ロボットや細胞を使って自分の臓器の悪くなったところをすべて修理してしまうという事も夢ではなくなるのかもしれません。

 しかし、そんな時代になってもデジタルの時計より丸い形の昔ながらの時計が使いやすかったり、手作りのぬくもりが感じられる物が恋しかったりするものです。どんどん変わっていく世の中でも、絶対的に変わらない気持や心を大切にしていきましょう。

| BACK | NEXT |

Top


医療法人 松尾クリニック

Copyright (C) Matsuo Clinic. All Rights Reserved.